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マグロはコインにもなった!?

2023.05.04
2023.07.06
  • マグログ

マグロの歴史は奥深いです。今回はマグロがコインになったお話しを。

【コインになったマグロ】

以前、田口一夫氏の「黒マグロはローマ人のグルメ」という著書を拝読した際、「コインに描かれたマグロの絵」というタイトルに大変興味を覚えました。

魚をデザインしたコインは古代のギリシア、ローマ時代に鋳造・発行されたものが多く、中でもイルカのデザインが多いことはよく知られています。

金貨に描かれたマグロは、紀元前3世紀から紀元2年頃まで、ジブラルタル海峡の近辺諸都市のもので、単純な魚のデザインだが、何故、マグロだとわかるのかというと、「マグロ特有の背鮨と尾鮨の間にある小さい独立した背鮨を明確に描き、さらに黒マグロの特徴である小さい胸鮨を無視しているからである」と言われています。さすが、専門家の眼ですね。

その後、素人なりに、魚をデザインしたコインの中に、背鮨に特徴のあるものはないかと探してみたが、そう簡単にみつかるはずはないのは当然だと思います。

しかし、最近になって、「世界コイン図鑑」を見ていると、クロアチアで1993年に製造・発行されたコインの表が「マグロ」、裏が国名・国章・額面を図側にした貨幣(クーナ・複数形はクーネ・KUNE)を目にしました。このコインに描かれた魚は背鮨の特徴はまったくないが、表に「マグロ・TUNI」と記されているのが嬉しいですね。

ちなみに、クロアチアは、1991年にユーゴスラヴィア連邦が解体して独立国となりました。「独立後、首都のザグレブで造幣局建設に着手し、1993年4月からコイン製造を開始。新貨幣制度実施は1994年だが、コインは製造開始の1993記年から存在する」と言われていますから、マグロのコインは独立後、最初につくられた記念すべきものと言えます。

尚、この際、裏面に関することも引用させていただくと、「クーナという貨幣の単位は、クロアチア語で小動物の<テン>を意味する単語で、中世ロシア、東ヨーロッパ地域ではテンなど小動物の毛皮が気比の役割を果たしていたことに由来しているといわれています。クロアチアコインのクーナ額面数字の背景で跳ねているのがそのテンで、額面はテンの姿そのもので表現されているともいえる」とあります。それで、このコインのデザインの意味がわかり、納得しました。

また、「国名はクロアチア語でフルヴァツカ(HRVATSKA)と書かれ、クロアチア(CROATIA)とはどこにも出てこない」とも。通貨レートは、1クーナおよそ20円です。

さらに、現在の通貨のうち、マグロを図案化したコインを、「世界コイン図鑑」により調べてみると、モルディブ共和国のコインに、マグロをデザインして発行したものがある。

モルディブは、2000もあるといわれる珊瑚礁の小島からなる群島国家。1965年に独立し、1968年からは共和国になりました。今では世界的なダイビング・スポットの多い、海の観光国として日本人になじみ深いです。

通貨の単位はルフィヤー。この貨幣単位は、イスラム国家である同国が独立した頃に使用していたペルシャのラリスタン地方の貨幣にちなんだもので、ルピーの訛ったものだと言います。その他コインの単位にラーリがあります。100ラーリ(LAARI)は1ルフィヤー(RU-FIYAA)。通貨レートは約12フィヤーで、およそ100円です。

マグロ2匹を裏面にデザインした5ラーリの硬貨の初発行は1984年。イスラム国家であるため、西暦の算用数字にイスラム暦がアラビア文字で併記され、表には国名と額面が記されてるだけ。特筆すべきは、硬貨の形がスカラップト(帆立貝形)をしていることです。この国の10ラーリも同じような形をしていますが、5ラーリは8つの帆立貝形、10ラーリは12の帆立貝形になっており、手がこんでいます。素材は100%のアルミニュウム。直径20.32ミリ(長径)、17.78ミリ(短径)。

なお、蛇足ながら、この図鑑の「マグロ」は、「カツオ」のように思えるデザインのような気もしますが、高著を引用させていただいており、現物を確認していないので、なんともいえません。

田口一夫著「黒マグロはローマ人のグルメ」の中に、「金貨に描かれたマグロ」と題して、紀元前3世紀から紀元前2世紀頃まで、ジブラルタル海峡の諸都市で発行されたという写真と図柄が掲載されています。

ちなみにこちらの本では、世界で漁獲されるマグロの約4割、刺身マグロに限定すればほぼ9割がわが国で消費されています。
確かに、地中海はわが国刺身マグロの一大供給基地であり、クロマグロの回遊も多いです。したがって、地中海沿岸ではある程度古代から消費されていたことは容易に想像できます。
わが国でも、縄文時代の貝塚から骨が出土し、あるいは古事記や万葉集にも歌われるなど、古くからマグロは食べられてはいました。しかし、一般に広く食べられるようになったのは、定置網漁が普及した江戸時代後期であり、しかも赤身を醤油につけた「ヅケ」としての消費が主体でありました。トロ(脂身)の部分は「猫
またぎ」と呼ばれて捨てられ、また「シビ」という呼び名が嫌われ、武士階級は食さなかったとされています。
著者略歴によると、専門分野は電波を使った航法システムの研究となっていますが、本書に先立って『ニシンが築いた国オランダ』(2001)を著すなど、海に関した技術史にも関心があるようです。本書も、それ以後の
発達史にも言及しているが、古代地中海におけるマグロの生産や加工の技術史に焦点をあて、多くのスペースを割いています。著者が地中海のクロマグロに関心を持ったきっかけは、ポルトガル南部の海洋博物館で
目にした、マグロ漁を描いた壁一面の油絵と大型定置網の模型にあります。「大型定置網は日本のお家芸と教えられてきた」としていることから、この驚きが大きな要因だと思います。そうした時に、2500年も前のマグロの加工場と卵の塩漬け用タンクがジブラルタル海峡付近に遺跡として残っていることを知り、著者の
「マグロ考古学」が始まります。
シチリア島の「ジェノヴァ人の洞窟」から紀元前1万年ごろのものと推定される黒マグロの壁画が見つかり、マグロの骨も相当量発掘されている。地中海住民の食料となっていたことは明らかでありますが、どのように獲り、どのように食べたか、がポイントです。著者は、古典を中心とする文献、陶器画、壺画、フレスコ
画、あるいは金属製品の遺物に残るマグロの姿や漁法、あるいは加工の様子からそれを辿ります。史料から得られる小さな情報を、現地探訪等によって丹念にそれをつなぎ合わせ、検証しながらひたすら真の姿を追います。そして、フェニキア人、ギリシア人、ローマ人等地中海沿岸の人々が、古代からいかにマグロと接してきたかを明らかにしています。食以外でも、デルフィの神託に登場したり、神への生贄にされたり…。
ところでローマ人のグルメとは、具体的にはガルーム(一種の調味料で、「魚醤」のようなものと説明されている。)を指しており、著者は「ローマ食文化の華」と表現しています。
そして、ガルーム製造所の様子や容器であるアンフォラの形状や商標、さらには船積みの方法についても詳述しています。古代ローマ人の「トロ」嗜好や卵巣のカラスミ加工等、わが国でのマグロの歴史と比べて、その背景なり、事情に大いに興味をもったところです。

コーリン・M・クレーイによる「アルカイック期および古典期のギリシア貨幣」には、魚類を図案化したコインも数多く掲載されているが、それがマグロ類であるかどうかを確認するのは困難である。

ギリシア史では、紀元前7世紀または紀元前6世紀から、紀元前479年までをアルカイック(期)、古典期は紀元前477年から紀元前336年まで、その後はヘレニズムと細分しています。

この記事の著者

まぐたつくん

出身:太平洋沖
生年月日:2020年6月生まれ(3歳)
趣味:寿司握り、旅行(世界の海めぐり)
二代目まぐたつくん、よりキャッチーなキャラクターへと変貌をとげ、女性ファンが増えたことにたまに浮かれてしまう、笑
ただし、マグロ解体ショーの仕事になれば、誰よりもすばやく、誰よりも素敵な掛け声で、ショーを展開。
老若男女を魅了し続ける、マグロの中のマグロ、いわばできる男(マグロ)
密かにファンクラブもあるらしい。

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