マグロの肉について~part4~
- マグログ
鰓と内臓除去を行ったマグロでは、肉色はほとんどミオグロビンだけの作用によって決定される。生鮮マグロの肉色は品質を左右する要因の一つであり、その色は色素タンパク質と酸素の結合状態によって決定される。マグロの刺身を長時間放置すると、ミオグロビン分子内の鉄イオンが酸化され、暗褐色のメトビオグロミンになる。還元型ミオグロビンと酸化型ミオグロビンは、酸素の分圧に応じて可逆的に変動するが酸化褐色した眼とミオグロビンは可逆性を示さない。
マグロのトロは昭和初期以前までは、今日のように珍重されていなかったようである。しかし今日では、マグロのトロは魚肉の中でも最も珍重されるものでありまたもっとも高価なものである。マグロのトロの味は脂肪の粒子の大きさ、口腔内で作られる油膜の形状、滑らかな舌触りとかすかに柔らかな噛み心地などにいわれているが、むしろそれらはトロのうまさを引き立てる役割を担っていると考えられる。
河隅:「とろの味は、脂肪の粒子の大きさに関係しているんですね。いろいろな役割がトロをさらにおいしく引き立てている。素晴らしいですね!!」